近年、iCloudやAWS (Amazon Web Services)、Office 365などのサービスの台頭により「クラウド」というキーワードを耳にする機会が多くなりました。「クラウド」とはソフトウェアを個々のPCにインストールすることなく、インターネットを通じて利用することをいいます。
「クラウド会計」もこれらのサービスと同様に、個々のPCにインストールすることなく、インターネットに接続されたPCやMac、スマートフォンで利用可能な会計ソフト全般のことをいいます。
クラウド会計と従来の会計ソフトでは、出来上がる試算表や決算書は同じでも、システム導入や会計処理のプロセスが全く異なります。具体的には、クラウド会計では、インターネット環境があればどこでも会計処理を行うことができ、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、POSレジの売上データなどのデータを自動で会計システムに取り込み・自動仕訳/自動学習を行うことができます。
メジャーなクラウド会計ソフトであるfreee(フリー)とMFクラウド(マネーフォワードクラウド)では、日本のほとんどの金融機関・クレジットカードに対応しており、また、モバイルSuicaなどの交通系ICカードや楽天・Amazonなどのネット通販の利用情報も取り込むことが可能です(自動連携)。
自動連携により取り入れられたデータは、AIによる自動仕訳や自動学習機能で会計処理が行われ、人間が行う作業は登録後のデータのチェックのみとなり、経理業務に係る手間を大幅に削減することが可能です。
ここまでは、クラウド会計の従来の会計ソフトに対するメリットを説明してきましたが、クラウド会計にもデメリットがあります。
操作に慣れが必要
クラウド会計ソフトは、ほとんどの処理をAIによる自動仕訳や学習機能で処理しますが、従来の会計ソフトに慣れている方にとっては、初めは少し違和感がるかもしれません。
年間維持費用が必要
クラウド会計ソフトは、月額利用料を支払うことで導入可能ですが、導入後も月額使用料を支払う必要がありますので、従来の会計ソフトと比較する際には、年額で比べる必要があります。
自動連携エラーが起こることがある
クラウド会計ソフトの自動連携機能は大変便利な機能ですが、金融機関やクレジットカード会社の仕様変更により、一時的にデータの自動連携ができなくなる場合があります。
ただし、freeeやMFクラウドの仕様変更への対応はスムーズに行われるため、長期間に渡って自動連携機能が使用できないということはほとんどありません。
会計ソフトの選び方はこちらをご参照ください。