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スタートアップ・ベンチャー企業に最適な税理士を選ぶためのポイントとは?

スタートアップ・ベンチャー企業に最適な税理士を選ぶためのポイントとは?


法人は個人事業主に比べて、会計処理や税務申告等の難易度が非常に高く複雑です。設立直後で規模が小さいスタートアップ企業やベンチャー企業でも、法人である以上は厳格なルールに従う必要があります。そのため、これまで自身で確定申告を行っていた場合でも、会社設立をするのであれば税理士へ依頼するのが安心です。

 

とはいえ、税理士をどのように選べば良いかわからないとお悩みの人も多いでしょう。一口に税理士といっても、規模が大きな会社とスタートアップ企業やベンチャー企業では税理士選びのポイントは大きく異なるため、ポイントを押さえることが大切です。

 

今回はスタートアップ企業やベンチャー企業に最適な税理士の選び方について詳しく解説します。

 

税理士選びで押さえたい 税理士業界に見られる特徴


はじめに、税理士を選ぶ前に知っておくべき税理士業界に見られる特徴を3つ紹介します。

税理士の平均年齢が高め

税理士の大きな特徴の1つが、平均年齢が高めな点です。日本税理士会連合会が実施した税理士実態調査によると、平成26年1月1日時点における税理士の年齢層は以下のようになっています。

 

  • 20代:0.6%
  • 30代:10.3%
  • 40代:17.1%
  • 50代:17.8%
  • 60代:30.1%
  • 70代:13.3%
  • 80代:10.4%

 

引用元|日本税理士会連合会 第6回税理士実態調査

 

最も多いのが60代であり、60代以上の割合が過半数を超えています。また、税理士試験の合格者は30代および40代が大多数です。

 

前提として、年齢が高いから悪いわけではありません。高齢であっても質の高いサービスを提供する税理士や、スタートアップ・ベンチャー企業に強い税理士も存在します。

 

とはいえ、年齢が離れすぎると話が合わない・フットワークに懸念がある等の恐れが大きくなります。また、ITツールやリモートサービスを導入せずアナログで対応するケースも少なくありません。

 

税理士の良し悪しは年齢だけで判断できないとはいえ、年齢層によって一定の傾向が存在するため、年齢が1つの基準になるのは事実でしょう。

税理士によって得意分野や強みが大きく異なる

一口に税理士といっても、税理士によって得意分野や強みが大きく異なります。会社設立や規模が小さい会社のサポートをメインとする税理士もいれば、大規模な法人クライアントが多い税理士もいます。特定の業界や業種に強みを持つ税理士も多いです。

 

税理士の得意分野や強みと自社の業界・業種や必要とするサポート内容が合わない場合、ニーズを満たせない恐れがあります。

事務所の規模による違いも大きい

税理士によるサービスは事務所の規模による違いも大きいです。

 

税理士が個人で運営する事務所や規模の小さい税理士法人には、以下のような特徴があります。

  • 税理士や担当者との距離が近い
  • 相談しやすい・親しくなりやすい
  • 対応できる分野に限りがあるケースが多い

 

一方、中規模以上の税理士法人の主な特徴は以下の通りです。

  • 税理士やスタッフが多いため幅広い対応が可能
  • 高度なサービスも提供しているケースが多い
  • 「経営のパートナー」「いつでも相談できる相手」と呼べるほど距離を縮めるのは難しい

 

あくまで傾向ではありますが、自社のニーズに合う税理士を選べるよう事務所の規模による違いも押さえておくのが良いでしょう。

 

スタートアップ・ベンチャー企業の税理士選びで確認したいポイント


続いて、スタートアップ・ベンチャー企業で税理士を選ぶ際に確認したいポイントを4つ紹介します。

創業サポートに関する実績の有無

スタートアップ・ベンチャー企業の税理士選びで特に重要なのが、創業サポートに関する実績の有無です。

 

スタートアップ・ベンチャー企業と創業から年数が経過した企業では、必要な手続きややるべきことが大きく異なります。

 

代表的なのが、創業融資等の資金調達です。創業融資とは、創業直後でも利用できる融資制度を意味します。創業融資の申し込みに必要な書類や審査で押さえるべきポイントは、一般的な融資制度とは異なります。

 

スタートアップ・ベンチャー企業では、資金調達手段として創業融資を利用するケースが多いです。そして、創業融資の審査の通過率を高めるには創業融資に関する十分なノウハウが欠かせません。

 

創業サポートの実績がない税理士に依頼してしまうと、サポートが不十分で創業融資の審査に落ちてしまう恐れが大きくなります。創業サポートの実績が豊富であり、スタートアップ・ベンチャー企業の支援に強みを持つ税理士を選びましょう。

 

税理士の強みや得意分野

自社のニーズに強みを持つ税理士を選ぶことが大切です。税理士によって強みや得意分野が大きく異なるため、よく確認せずに税理士を選んでしまうと、期待したサービスを受けられない恐れがあります。

 

大前提として、スタートアップ・ベンチャー企業のサポートに強みを持つ税理士を選ぶのが理想です。創業直後の会社と年数が経過した企業では、やるべきことに大きな違いがあるため、税理士に求められるスキルやノウハウも変わります。

 

また、自社の業界・業種に強みを持つ税理士を選ぶことも大切です。一口に会計・税務といっても、業界特有の慣行や法律が存在するケースは珍しくありません。自社の業界・業種に詳しくない税理士を選んでしまうと、効果的なアドバイスを受けられない恐れがあります。

 

ITツールやリモートの活用有無

スタートアップ・ベンチャー企業で税理士を選ぶ際、ITツールやリモートの活用有無もチェックしたいポイントです。

 

前章で紹介したように、高齢の税理士にはITツールを活用しないアナログ派も多くみられます。しかし、ITツールは効率化やスピードアップの実現に欠かせない要素です。スピード感や成長が求められるスタートアップ・ベンチャー企業には、ITツールを活用し上手く効率化を進める税理士が合っているといえるでしょう。

 

ITツールの活用だけでなく、リモートでのサービス提供を行う税理士を選ぶのが理想です。リモートでの面談は対面に比べて時間や労力を抑えられます。日時の調整がしやすい・急な面談にも対応してもらいやすい等のメリットもあります。

 

スタートアップ・ベンチャー企業はやるべきことが多く忙しいため、対面での面談が負担になる恐れがあります。面談の労力を最小限に抑えるためにも、リモートでのサービス提供を行う税理士を選ぶと安心です。

 

自身との相性

スタートアップ・ベンチャー企業に限らず、自身との相性が良い税理士を選ぶのは非常に重要です。

 

スタートアップ・ベンチャー企業にとって、税理士はビジネスパートナーともいえます。経営に関する深い部分までサポートを受けるためコミュニケーションの機会が多く、今後長い付き合いが前提となります。

 

自社のニーズに合致した税理士であっても、相性が悪ければ税理士とのやり取りがストレスになる恐れが大きいです。すぐに顧問契約や依頼をせず、しっかりコミュニケーションをとった上で依頼するか否かを決めましょう。なるべく直接会って相性の良し悪しを判断するのが理想です。

 

まとめ


スタートアップ・ベンチャー企業では、創業サポートに関する実績が豊富な税理士を選ぶことをおすすめします。また、自社の業界や業種に強みを持ち、ITツールの活用やリモートサービスの提供をする税理士を選ぶのが理想です。税理士は今後長く深い付き合いをするビジネスパートナーともいえる存在であるため、相性の良し悪しも非常に重要なポイントとなります。

 

今回紹介したポイントを押さえることで、スタートアップ・ベンチャー企業に合った税理士を選べるでしょう。