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会社設立の流れとは?6つのステップごとに必要な作業を詳しく解説!

会社設立の流れとは?6つのステップごとに必要な作業を詳しく解説!

会社設立までの流れは大きく6つのステップに分けられます。やるべきことや必要書類が複数ありますが、事前に流れを把握しておけばミスや漏れのリスクを抑えられるでしょう。

 

今回は会社設立の流れについて、ステップごとに詳しく解説します。

会社設立の流れ


会社設立手続きは大きく以下の5ステップに分けられます。

1. 会社概要の決定

2. 法人の実印作成

3. 定款の作成

4. 定款認証

5. 資本金の払込

6. 法務局での登記申請

 

それぞれのステップごとに詳しく解説します。

会社概要の決定

会社設立に向けて最初にやるべきことが会社概要の決定です。最初に決めた会社概要は、後に法人の実印や定款を作成する際に使う情報になります。会社運営における基礎となる情報でもあるため、入念な検討による丁寧な準備が必要です。

 

会社概要として最初に決めておくべき事項の具体例を紹介します。

 

  • 商号

会社名・社名とも呼ばれます。商号については以下のルールがあるため注意が必要です。

  o 商号に使える文字にはルールがある。記号や特殊文字は使用不可。

  o 先頭か末尾に必ず法人格をつける必要がある。

  o 学校・銀行といった特定の団体を想起させる名前は、該当の事業を営む場合しか利用できない。また、有名な企業・組織を連想させるような名前も避ける必要がある。

  • 本店所在地

法律上、会社の住所として登録されます。

  • 事業目的

会社の事業内容を示す項目です。

  • 会社設立日

会社設立日として登録されるのは、法務局に会社設立の登記申請書を提出した日です。

必ずしも決める義務はありませんが、会社設立日の希望がある場合、その日から逆算して手続きを進める必要があります。

  • 資本金の額
  • 事業年度

法人の実印作成

会社概要が決まったタイミングで法人の実印を作成するのが良いでしょう。

 

法人の実印は、法務局で登記申請を行う時にあわせて印鑑登録をするのが一般的です。登記申請までには印鑑を確実に用意できるよう、早めに印鑑を作ることをおすすめします。

 

また、実印と一緒に銀行印や角印の作成もすると効率的です。それぞれの主な役割を紹介します。

  • 実印

法人代表者の意思や決定を表す際に使う印鑑です。代表者印・丸印・代表実印とも呼ばれます。

  • 銀行印

金融機関へ届け出る印鑑です。実印を銀行印として使うことも可能ですが、代表者印の紛失や悪用のリスクを抑えるため、一般的には銀行印を別にします。

  • 角印

名前の通り四角い印鑑で、日常的な実務で使います。会社における認印のような役割を持つ印鑑です。

定款の作成

定款とは会社運営のルールをまとめたもので、会社の憲法とも表現されます。

 

定款の記載事項は以下の3種類に分けられます。

  • 絶対的記載事項

定款に必ず記載しなければならない事項です。絶対的記載事項に漏れがある場合、定款が無効になってしまいます。

絶対的記載事項の例を紹介します。

  o 商号

  o 事業目的

  o 本店所在地

  o 発起人の氏名または名称、住所

  o 資本金の額

  • 相対的記載事項

定款に記載しなければ効力を持たない項目です。定款に記載しなくても定款認証は受けられますが、記載がない場合はそもそも該当のルールは存在しないとみなされます。

相対的記載事項の例を紹介します。

  o 株式の譲渡制限に関する定め

  o 公告方法

  o 取締役会の設置

  o 監査役の設置

  • 任意的記載事項

定款への記載が任意となる事項です。相対的記載事項と違い、定款への記載がなくてもルールとしての効力を発します。

任意的記載事項の例を紹介します。

  o 事業年度

  o 役員報酬の決め方

  o 株主総会に関する事項

  o 取締役等の員数

  o 株式取扱事務手続きに関する事項

定款認証

株式会社の場合、公証役場で公証人による定款認証を受ける必要があります。定款認証は、本店をおく都道府県内にある公証役場で受けます。

 

作成した定款に不備や漏れがあると定款の認証を受けられません。公証役場へ行く前に、作成した定款の内容が適切であるか確認しましょう。

 

なお、合同会社をはじめとする持分会社では定款認証が必要ありません。ただし、定款認証が不要なだけで定款の作成自体は必要です。

資本金の払込

会社設立では資本金の払込も必要です。この時点では法人口座を持っていないため、発起人の個人口座へ振り込みます。

 

資本金の払込が終わった後に、法務局での登記申請時に必要となる払込証明書を作りましょう。払込証明書と通帳の以下のページをコピーしたものをあわせて製本したものを、登記申請の際に提出します。

  • 通帳の表紙
  • 通帳表紙の裏面(支店・口座番号・口座名義人などの情報が記載されたページ)
  • 払込金額が確認できるページ

 

なお、定款認証後の払込が原則とされていますが、定款認証日より前でも出資金の払込であることが認められれば問題ありません。払込のタイミングより、払込額が定款と一致しているかが重要です。

法務局での登記申請

登記申請は本店所在地を管轄する法務局で行います。会社設立登記に必要な書類を紹介します。

  • 登記申請書

法務局の公式サイトでフォーマットのダウンロードが可能です。

  • 登録免許税分の収入印紙を貼った納付用台紙
  • 定款
  • 発起人の印鑑証明書
  • 発起人の決定書
  • 設立時取締役の就任承諾書
  • 資本金の払込証明書
  • 「登記すべき事項」を記載した書面又は保存したCD-R

 

書類に不備や漏れがなければ提出から10日程度で受理されます。なお会社設立日として登録されるのは、受理された日ではなく登記申請が行われた日です。

【参考】会社設立登記が終わった後にやるべきこと


会社設立の手続き自体は、法務局で会社設立登記が受理された段階で完了となります。ただし、会社運営を行うためには、会社設立後にもさまざまな作業を行う必要があります。

 

会社設立後に最低限やるべきことは以下の3つです。

  • 年金事務所へ社会保険関係の届出
  • 税務署への届出
  • 自治体への届出

会社設立直後から従業員を雇用する場合は、労働保険関係の手続きも必要です。いずれも期日が定められているため、早めに手続きを進めましょう。

 

また、義務ではありませんが、法人口座の開設や法人カードの発行も早めに行うのがおすすめです。

まとめ


会社設立ではやるべきことが多い上、細かなルールが設定されています。些細な不備や漏れが原因で会社設立手続きがスムーズに進まなくなってしまうケースは珍しくありません。

 

会社設立手続きを効率良く進めるため、会社設立の流れや必要な作業について事前に理解を深めておきましょう。